終活で必要なこと-遺言書の書き方

人生を締めくくるための終活は、自分が望む人生の締めくくりができるだけでなく、家族のためにもなります。人が亡くなったあとで問題が起こりやすい相続については、遺言書を活用すれば法的に遺産分割などを決めることができます。
こちらでは遺言の種類や書き方、エンディングノートの違いを紹介します。

遺言書とは

遺言書とは
遺言書とは自分の遺産を希望通りに相続させるための方法です。ただ自分の思いを残すだけの遺書とは違い、遺言書は法的効力を持ちます。
相続は本来自由に行われるものですが、それを制限するために遺言を残すには法的に認められる書き方を守らなければいけません。書き方を間違えた場合は遺言の効力がなくなります。
終活で気になる遺産分割ですが、思い残すことが無いように遺言を残したいところです。

遺言書のメリット

終活のために遺言書を残しておくことは多くのメリットがあります。

自分の継がせたい相手を指定して遺産を渡せる

自分の継がせたい相手を指定して遺産を渡せる
何よりも自分の継がせたい相手を選んで遺産を渡せることがメリットです。遺産を引き継ぐ相手を指定するときは、相続の割合だけでなく具体的な品物も指定することができます。
特定の人と付き合いが深かったから、本来の法定相続分よりも遺産を多く相続させたい、逆に相続人の誰かが自分にとって良からぬ存在だったので相続分を少なく、あるいは相続人廃除したいという時も遺言が役立ちます。
ただし、遺言による遺産分割がある相続人の権利を侵害するときは、法律で認められた遺留分を確保するための遺留分減殺請求ができます。その点は忘れないでください。

相続税申告で困らない

被相続人が亡くなった後、相続人は相続税の申告をしなければいけません。もし被相続人の財産を特定しきれなければ、追加で相続税を払うことや修正申告が必要になります。
遺言ですべての財産を把握できるようにしておけば、それだけで相続人の手間を軽くできます。これも終活で遺言を書くメリットとなります。

相続争いを避けることができる

遺産を相続させる相手を決めることで相続争いを避けられます。遺言が有効と認められれば、それを相続人の手で覆せないからです。普段は表に出さなくても、相続人同士で相手に思うことは少なからずあります。「うちは家族仲が良いから」といって安心できません。
また、相続争いを避けられたとしても、相続した後に禍根を残す場合も考えられます。遺言を使う場合は、生前の内に遺産分割について相続人とよく話し合っておきましょう。

法定相続人でない人に遺産を相続させられる

遺言によって法定相続人以外の人に遺産を与えることができます。これを遺贈と言います。遺贈についても相続人は遺留分減殺請求ができるので、すべての財産を与えることができない点は理解しておきましょう。
遺留分減殺請求の対策として、遺言に付言次項を付け加えておくことがおすすめです。

遺言書の種類、それぞれの意味、書き方

終活のための遺言書も上手く活用できなければ意味がありません。中でも最も避けたいのことが遺言が無効になってしまうことです。3種類の遺言書がありますので、それぞれの書き方をしっかり理解しましょう。

自筆証書遺言

一般的に遺言書と言われるのはこちらです。自筆証書遺言という名前である以上、すべてを自筆で書かなければならず、一部でも他人の手やパソコンで書いた場合はすべて無効になります。
遺言の様式は細かく決められているので、自筆証書遺言の有効性を保つなら弁護士のチェックを受けることがおすすめです。

公正証書遺言

公正証書遺言は公証役場にいる公証人が被相続人の言葉を聞きながら作成し、公証役場に保管する遺言書です。公正証書遺言は法律のプロである公証人が作成するので有効・無効で争うことがありません。遺言の安全性を重視するなら公正証書遺言が一番です。
ただ、公証役場が近くにあると限らない点や、出張に日当がかかる点など、いくつかの注意点があります。しかし、書き方を勉強しなくて良いのは非常に大きなメリットです。
また、自筆証書遺言の場合は相続人がそれを失くしたり燃やしたりすることも考えられますので、第三者が介入しておくことで安全に管理できます。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは中身を秘密にした遺言書を公証役場に預けるものです。中身を秘密にできる点や、亡くなるまで遺言書を他人に見られずに済む点がメリットとなります。また、自筆証書遺言と違いパソコンでの作成が認められています。
ただ、秘密証書遺言は様式を間違っていれば自筆証書遺言と同様に無効となってしまいます。利用されるケースが少ないのも特徴です。

遺言書とエンディングノートの違い

終活で書くものと言えばエンディングノートが良く知られていますが、エンディングノートと遺言書の違いはどこにあるのでしょうか?この2つは目的も内容も大きく違います。

法的効力

法的効力が大きく違います。エンディングノートには一切の法的効力がありません。一方で遺言は遺産分割などに制限をかけられます。

目的

遺言は財産を適切に分割する、子供を認知するなど、法律にかかわる分野の意思決定をするためのものです。エンディングノートは自分の人生を振り返ること、亡くなった後に思いをはせることで望ましい終活をするために使われます。

様式

遺言は厳しく制限される一方で、エンディングノートは自由に書くことができます。終活を始める時はまずエンディングノートから手に取ると良いでしょう。

まとめ

自身の人生を振り返り、亡くなるまでの準備をする終活ですが、相続人のためにも遺言はしっかり残しておきたいものです。遺言を書くことは財産や相続人への思いを確認する良い機会になります。