終活を手順よく準備するために

近年「終活」という言葉を耳にするようになりました。2009年に登場したこの造語は、「就職活動」の略語である「就活」にひっかけ、「終わるための活動」を意味して作られました。果たして言葉は知っているものの、具体的にどのような活動を行うのか、何から始めればいいのか、よくわからない人もいるのではないでしょうか。

何のために終活を行うのか改めて理解しておきましょう

何のために終活を行うのか改めて理解しておきましょう
「終わるための活動」とは、「人生の終わりと締めくくりに向けた活動」を指しています。
少しずつ人生が終わりに近づき、自分の死を意識するようになったとき、人は終活について考え始めます。

年齢とともに体の衰えを感じるようになったとき、子供たちが成長しそれぞれに巣立っていくとき、親を看取ったとき以外にも、近親者や友人が鬼籍に入り、知った顔が少なくなっていくときもタイミングの一つになります。

今現在元気であっても、そんなふうに状況が変わるにつれ、おのずとこれからの人生について考えてしまうことでしょう。


日本人の平均寿命は80歳を超え、いきいきと年を重ねている高齢者も大勢います。しかし、人生にはいつ何が起こるかわかりません。突然事故にあったり、死につながるような病気にかかったりしないとはいえず、先を思えば不安や心配に襲われます。

また、実際に死に直面した場合には、いろいろなことを準備したり、手順を整えたりする余裕はもうないかもしれません。前もってできることがあれば、可能な限り手配をしておきたいものです。


いざ何かあったとき、残された家族や周囲の人たちが困らないよう、心のゆとりをもって人生の終わりに向けた活動を行っていく。それが終活です。たとえば、自分がいなくなってしまったら、残された家族は遺品整理の必要に迫られます。仕分けをし処分をする、遺品整理にはたいへん手間がかかります。

流行りの「断捨離」も、物の処分に対する考え方の方便です。自分自身の手による事前の遺品整理は、きっと家族や周囲の人たちの負担を軽減してくれることでしょう。


決してネガティブな意味合いではなく、残された人生をいかに充実して過ごすか、死をどうやって穏やかに受け入れるかといったような、むしろ前向きな側面が終活にはあります。自分の人生を振り返りながら、身の回りの物を一つひとつ片付けていくことは、家族のためであるとともに、あなた自身が人生をより深く見つめ直すきっかけにもなります。

終活とは、人生を終えるための活動といいながら、実は今を自分らしく生きるための活動でもあるのです。

終活の手順(生前整理、エンディングノート、お墓の準備、葬儀の準備、遺言の準備)

終活の手順(生前整理、エンディングノート、お墓の準備、葬儀の準備、遺言の準備)
では一体、どのような方法で終活の手順を整えていけばいいのでしょうか。

生前整理

かつては土地や家屋の名義変更を「生前整理」といっていましたが、現在では先に述べたように、身の回りの物の整理を指していうようになりました。この場合、特に不用品の処分をいいます。

誰しも年を重ねれば重ねるほど、物は増えていきます。旅行の思い出の品、人からのプレゼント、季節ごとの衣類や食器など、捨てられないまま場所を塞いでいる物がたくさんあるでしょう。本当に必要な物、実用として使う物は、それらのごく一部に過ぎません。

また、自分にとって大事な物であっても、家族にとって大事な物とは限りません。最終的に手元に残しておきたい物を選別し、目録を作ることです。それらの資産価値を概算し記入しておけば、判断力のあるうちに形見分けや財産分与について考えることができます。

資産整理

かつての生前整理であった名義変更を含む資産の整理です。亡くなった人名義の銀行口座は凍結されますから、残された家族は当面現金を引き出せなくなります。
そうした事態に備え、自分名義の預貯金について、あらかじめ家族に伝達しておくようにしましょう。株券や有価証券などについても同様です。

お墓と葬儀の準備

人生最期のセレモニーは葬儀です。自分の葬儀をどのようなかたちで行いたいか、終活でじっくり考えておきましょう。
葬儀の規模の大きさによって、かかる費用も違ってきます。葬儀場はどこにするのか、遺影に使いたい写真はどれか、棺桶の種類はどうするかなど、より詳細にコンテンツを決めていくことで、自身の最期をセルフプロデュースすることができます。

遺言の準備

家族間のトラブルを避けるためにも、生前に遺言書を作成しておきましょう。自筆証書遺書なら、証人の必要がなく取りかかりやすいです。

まとめ

終活は、残された家族や周囲の人たちのことを考えながら、人生の終わりに向けて少しずつ進めていく活動です。
今までの人生を振り返ることで、これからの人生をより充実させることができます。生前整理やエンディングノートの執筆など、自身のタイミングで始めてみてはいかがでしょうか。