葬儀の受付の仕方とマナーについて

葬儀の受付の仕方の流れ
葬儀には適切なマナーが求められます。なかでも、受付を担当する場合は、遺族はもちろん、弔問客に失礼がないようにしなければなりません。
今回は葬儀の受付の方法とマナーについて8つのポイントに分けて解説します。

1. 受付担当の服装は喪服が基本

受付担当の服装は、ほかの弔問客と同じく喪服の着用が基本です。遺族の代わりに弔問客を最初に迎え入れる重要な立場ですから、葬儀の場に相応しい服装を心がけましょう。

【男性の服装のマナー】
*スーツ:上下揃った黒のスーツ
*ワイシャツ:白の長袖のワイシャツ
*靴:黒 / エナメルや装飾が付いたものは避ける
*そのほか:ネクタイ・靴下は黒

【女性の服装のマナー】
*上着:黒のスーツやワンピース
*足元:黒のストッキング
*靴:エナメルや装飾がないシンプルなもの
*アクセサリー:パールのネックレスを付ける場合は1連のもの

2. 会場に到着したらまずは遺族にお悔やみ

受付担当に選ばれた人は、式が始まる1時間前には会場に行き、会場に到着したらまずは遺族にお悔やみを述べ、葬儀社の方がいれば挨拶します。

次に会場の配置、式全体の流れを確認しておきましょう。
弔問客から駐車場やトイレの場所、控室、式の開始時刻などを尋ねられることが多いため、スムーズにご案内できるよう事前に把握しておくと安心です。

次に受付台に必要なものが揃っているかを確認します。受付では芳名帳、黒の筆ペン、ボールペンなどが用いられます。念のためインクが出て文字を書くことができるかも確認しておきます。芳名帳は各行の頭に番号を記入しておきましょう。香典袋にその番号を記入してくと、会計係(香典の管理)の負担が軽減されます。
また、香典と引き換えに返礼品を渡す場合は、渡しやすい場所に用意しておきましょう。

上記の準備が完了したら、弔問客が到着する前に焼香を済ませておきます。式が始まると対応に追われ、受付担当は席を離れられなくなるため、できれば先に焼香を済ませておくか、弔問客が少ない時間にほかの受付担当と交代して焼香します。

3. 受付での挨拶は笑顔を慎む

受付担当は、遺族に代わり弔問客の対応をします。明るい声や笑顔は慎み、丁寧な対応を心がけましょう。
弔問客がお悔やみの言葉を述べられたら「本日はお忙しい中をおこしいただきましてありがとうございます」とお礼を述べます。雨天や冬の場合は、「本日はお足元の悪い中(お寒いところ)をおこしいただきましてありがとうございます」と言い換えてもよいでしょう。

4. 香典は両手で受け取る

香典は両手で受け取る
弔問客が香典を差し出したら「お預かりいたします」と言葉を添え、香典を両手で受け取り一礼します。そして芳名帳の各行の頭に記入した番号と同じ番号を香典袋に記入し、用意してある箱に入れます。
近くに会計係がいる場合は、弔問客が受付を離れてから香典を会計係に渡します。
なお、受付で香典の中身を確認するかしないか考え方は様々ですが、香典の入れ忘れや、香典袋に記入してある金額と実際の香典の金額相違などが起こるケースもまれにあります。
受付が盗んだと誤解されないように、後方で香典の確認することをおすすめします。

5. 芳名帳の案内をスムーズにするために芳名帳は多めに用意

香典を受け取ったら弔問客に芳名帳の記入していただきます。「恐れ入りますがこちらにご記入ください」とご案内するとスムーズでしょう。
弔問客が多い葬儀の場合、可能であれば芳名帳を多めに用意しておくとお待たせすることなく受付ができます。

6. 返礼品は記帳後に渡す

返礼品とは通夜・葬儀に参列してくれた方に渡すお礼の品のことです。会葬御礼品などと呼ばれることもあります。
香典の受け取りと芳名帳への記帳が終わったら「ありがとうございます」とお礼を述べ、返礼品をお渡します。香典が連名になっている場合は、全員に返礼品をお渡しします。

なお、葬儀の当日に弔問客に渡すものには返礼品のほかに香典返しがあります。返礼品と香典返しの違いは、返礼品は香典を頂いていない場合でも葬儀に足を運んでいただいた弔問客全員に渡すのに対し、香典返しはお香典を戴いた方のみお返しをする品を言います。

7. 弔問客の案内

受付が完了した弔問客に「告別式はあちらでございます」と声をお掛けして式場へご案内します。葬儀によっては案内係がいる場合もありますが、受付が案内係を兼任していることがほとんどです。
弔問客が高齢の場合や、小さなお子様が同席される場合もあります。会場の段差やトイレ、授乳できる控室の場所などもスムーズにご案内することも受付の重要な役割です。
遠方からお越しの弔問客の荷物や、冬の場合はコートを預かることもあります。クロークがない場合は、弔問客に番号札を渡しておき、お帰りの際に番号札と引き換えに荷物を返却します。トラブル防止のために貴重品の預かりは対応しないようにしましょう。

8. そのほかのマナー(お供物や弔電を受け取った場合)

お供物を受け取った場合は、会場係や葬儀社のスタッフに渡し、祭壇にお供えしてもらいます。
弔電を受け取った場合は、芳名帳に記帳し、司会や進行係に渡します。

まとめ

葬儀の受付を依頼されたら戸惑う方も多いかと思います。受付は弔問客を迎え入れる最初の顔です。
やることが多くお金も扱うためとても重要な役割ですが、受付のマナーや全体の流れを事前に把握していれば、冷静に対応することができます。当日慌てることのないよう、ご遺族や葬儀社とよく相談して準備をしましょう。

このコラムの監修者

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査 1級葬祭ディレクター
グリーフケア・アドバイザー
昭和セレモニー 葬祭部 総部支社 副支社長 小林 憲光

小林 憲光
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