故人さまとのお別れの時間を穏やかに過ごしたい
実はご葬儀の内容、進行に関しては2つの間にはあまり違いはありません。
一番大きな相違点は、参列者です。家族葬では仕事関係の人や友人知人はお呼びせず、身内など近い関係の人のみの参列となるパターンが主流です。
家族葬をおすすめするケースを、5つご紹介します。
まずは故人さまとのお別れを穏やかに過ごしたい場合です。義理のつきあいに振り回されず、落ち着いて故人さまとのお別れをしたいという気持ちを持つご遺族さまは、意外と多いのではないかと思われます。
参列者が多くてその対応や挨拶に追われてしまうと、ご葬儀の間あわただしい思いをすることになります。
義理の参列者が多いとご葬儀とは関係ないおしゃべりも多く、それを無神経に感じるご遺族さまもいることでしょう。
そのような希望がある場合は、穏やかなお別れをするために家族葬がおすすめです。身内だけで行うご葬儀なら、ゆっくり故人さまの思い出にひたれるはず。
親戚やご近所付き合いが少ない
故人さまが高齢の場合、知人友人も高齢で移動が難しかったり、亡くなっていたりする場合があります。
そうなるとお呼びしようにも、参列者が増えないということになります。また、親戚の人数が少ない人、ご近所付き合いが少ない人も、参列者が集まらない懸念があります。
そうした場合も家族葬にして、身内のみでご葬儀を出すことを検討してみましょう。
無理に義理の参列者をかき集めるよりもこじんまりと行うほうが、故人さまの意向に沿うかもしれません。
故人さまが生前から望んでいた
家族葬をおすすめするケースの中には、故人さまが家族葬を生前から望んでいたという場合もあります。
この場合はご遺族さま間でどのようなご葬儀にするか検討する必要がないので、大変スムーズにことが運ぶと思います。
このケースではおおむね故人さま自身が資料を収集し、費用や内容まで納得して指定していることが多いのではないでしょうか。
よほど問題がなければ、ご遺族さまはそのプランを葬儀社に依頼すればよいのですから、手間がかからずに済みます。
しかし故人さまが自ら家族葬にしたいと申し出たのでない限り、生前から家族が強制するのはNGです。話をまとめておくには、家族間で保険の話をした時などがチャンスです。
将来の話からご葬儀の話へとつなげ、皆がそれぞれの希望を述べておくとよいでしょう。
終活やエンディングノートの流行もあり、生きているうちからご葬儀について話すことはもはやタブーではなくなりました。
ネガティブなテーマだからと避けるのではなく、家族間で常に話し合い、風通しをよくしておきましょう。
突然の逝去のため余裕がなかった
病気で長い間床にあった人と異なり、事故などで突然亡くなった場合は、幅広い参列者が来るご葬儀を行う心の余裕がご遺族さまにないこともあります。
その際身内のみの家族葬を選択すれば、参列者に対するケアに気を遣うことも少なくて済み、ご遺族さまの負担が少なくなります。
また、香典や供物を辞退すれば、香典返しなどの手間も不要になり、心身ともにいっそう楽に。
また一家の大黒柱を失うなど、経済的な余裕がない場合も、家族葬をおすすめするケースです。
少人数でシンプルに行う家族葬は、一般的なご葬儀よりも安く執り行うことができるためです。
例えあとから香典で相殺できるとしても、一時的に高額なご葬儀費用をご遺族さまが立て替えなくても済むことで、かなり精神的な負担が減るのではないでしょうか。
冠婚葬祭すべてがシンプルに、リーズナブルになりつつある昨今、ご葬儀に莫大な費用をかけないという流れは、自然なことと言えるでしょう。
闘病後の逝去のためご遺族さまが看護による疲労が多く、参列者の対応が十分にできない
故人さまが長い闘病の末、亡くなった人というケースもあります。
その場合、本人も大変だったのはもちろんですが、家族も長い間苦労をしたことは間違いありません。
そのため肉体的に疲労していることもあり、ご葬儀の手配までこなせそうもないという場合もあるのです。
そんな時は身内だけで行う家族葬を選べば、スケジュールに追われることもなく、落ち着いて過ごせます。
すべてを葬儀社が取り仕切ってくれるセットプランにすれば、ご遺族さまがあれやこれや指示しなくても済み、精神的にもとても楽になることでしょう。
ご葬儀は故人さまとのお別れのセレモニーなのに、ご遺族さまが手配や段取りに気を取られ過ぎるのは残念なことです。
家族葬を選び、葬儀社にある程度おまかせしてしまうことで、ご遺族さまの負担を減らし、その分故人さまの人となりをゆっくり偲ぶ時間を持ってはいかがでしょうか。