弔電のお返しにはお礼状を送ろう
ごく親しい人であれば、電話やメールなどでお礼を伝えても失礼にあたらないとされていますが、そうでない人にはハガキや手紙などきちんとした書面を通じてお礼を伝えるようにしましょう。
お礼状は書面であればハガキ、手紙のどちらでもかまいませんが、よりていねいな印象を与えるということで手紙を選ぶ人が多いようです。
使用する便せんの色は白または薄いグレーを選ぶのが無難です。
お礼状は1週間以内に出そう
それでは、お礼状はいつからいつまでに出せば失礼にあたらないのでしょうか。
葬儀後は多忙で手がなかなか回りませんが、葬儀からあまり時間が経ってしまうと失礼にあたります。
お礼状はなるべく葬儀の直後、遅くても1週間以内に出すのがよいでしょう。
葬儀・電報のお礼状に関する5つのポイント
葬儀で供花や弔電(お悔やみの電報)を受け取った後に書くお礼状のポイントをまとめてみました。
1.故人の名前を忘れずに書く
誰から、どんな理由でお礼状が送られてきたのかきちんと示すために、まずは故人の名前を書きましょう。
親族の場合であれば「亡き○○」または「故○○儀」などと記します。「亡父○○儀」という表現の仕方もあります。
2.お礼の言葉をしたためる
わざわざ供花や弔電を送ってくださった方へのお礼の言葉をしたためます。
できれば故人との生前の関わりや親交についての感謝の気持ちを入れるとよいでしょう。
家族ぐるみで親交のあった方であれば、今後も変わらずお付き合いいただけるようお願いするのも忘れずに。
3.略儀であることを記す
書面のお礼状は電話やメールに比べればていねいな印象を受けますが、最善の方法は直接会ってお礼を言うことです。
もちろん供花や弔電を送ってくださった方全員のもとを訪ねてお礼を言うというのは非現実的ですし、先方もそこまで求めたりしませんが、最善の方法ではない以上、たとえ封書でも「略儀」であることを書き添えるのがマナーです。
4.差出人と日付を入れる
最後に差出人の名前とお礼状を書いた日付を入れます。差出人は代表として喪主の名前を入れますが、あわせて「親戚一同」という一文も書き添えましょう。
こうすることで家族全員が感謝しているという気持ちを表すことができます。
5.句読点を打たないようにする
普通の手紙と違って、お礼状では句読点を打たないのがマナーとされています。
これについてはもともと書状は毛筆で書かれていたため句読点は不要だとか、法事が滞りなく終了したという意味を込めてなどさまざまな説があります。
最近はそこまで気にしない風潮になりつつありますが、形式を重んじる方もいらっしゃいますので、句読点は使わず適度な改行や間を使って記したほうが無難です。
お礼状のテンプレートを紹介
ここまでお礼状の書き方のポイントをいくつか紹介しましたが、実際に一から書き起こそうとすると戸惑うことも多いでしょう。そこで以下に供花や弔電に対するお礼状のテンプレートを2つご紹介します。
テンプレート1.弔電へのお礼状
拝啓
このたびは故○○儀葬儀に際しまして ご多忙中にも関わらずご鄭重な弔電を賜り 厚く御礼申し上げます
おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました
生前親しくさせていただいた△△様のご弔意をいただき 故人も喜んでいることと存じます
ここに生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻下さいますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます
敬具
テンプレート2.供花へのお礼状
拝啓
亡父 ○○儀の葬儀の折には 立派なお供えを賜りまして誠にありがとうございます
謹んでお受けいたし、霊前に飾らせていただきました
△△様のご芳情に心より御礼申し上げます
本来であればお伺いしてお礼を申し上げたいところではございますが 略儀ながら書中にて失礼いたします
敬具
お礼状は正しいやり方で、気持ちを込めて
お礼状は基本的なポイントさえ抑えておけばテンプレート通りでなくてもかまいません。
大切なのは早めにお礼状を出すことと、気持ちを込めて書くことです。
近年は終活を行う方が増えていますが、自分が亡くなった後に親交のあった方たちに失礼のないよう、終活の一環として家族にお礼状の書き方を教えておくのもおすすめですよ。