自分で知っておきたい葬儀の流れと費用

親しい人とのお別れは突然にやってくるものです。
葬儀はプランや規模によってその種類は多様ですが、ご家族はわずかな時間内で決めるべきこと・やるべきことをこなさなければなりません。

そこで、ご家族がスムーズに執り行えるよう、ご自身の葬儀に関する事前計画をおすすめします。
以下では一般的な葬儀の流れと費用について解説していますので、お別れの際に家族の大きな助けとなれるよう、プランを練ってみましょう。

ご逝去から精進落しまで、一般的な葬儀の流れ

ご逝去された後は、葬儀の打ち合わせなどを経て、通夜・葬儀・告別式・火葬・還骨法要・初七日法要・精進落しの順で故人の供養が行われます。
下記では一般的な葬儀の流れについて解説します。

  • 1.ご逝去

医師に死亡診断書を発行してもらいます。
死亡診断書が発行されたら、葬儀社へ連絡し、寝台車でご遺体を移動します。

*ご遺体の安置
ご自宅、または葬儀施設にご遺体を安置します。

*葬儀の打合せ・段取り
喪主を決め、葬儀担当者と葬儀の日程や内容についての打合せをします。
また、死亡診断書を葬儀担当者に渡し、死亡届や火葬許可証の手続き依頼も必要です。
葬儀の日程が決まったら、ご親戚・ご近所・職場などの関係者に連絡しますが、この際は電話で連絡するのが確実でしょう。

*納棺
納棺師あるいは遺族が故人の体を清め、死化粧を施して死に装束を着せます。棺に個人の愛用品を納めることもできますが、メガネや指輪などの燃えにくいものは入れられません。
どのようなものなら納棺が可能かあらかじめ葬儀社に確認しておくと良いでしょう。仏式の場合は、僧侶にお経を読んでもらい、焼香をします。開式から閉式まではおよそ1時間程度。

  • 2.通夜

仏式の場合は、僧侶にお経を読んでもらい、焼香をします。開式から閉式まではおよそ1時間程度。
通夜の後には、「通夜ぶるまい」を行ない、参列された方々をお酒や食事でもてなします。

通夜の流れ:18:00開始の場合
1会場・受付準備 (2時間前から)
2受付開始 (30分前から)
3開式 18:00〜
4読経
5焼香
6閉式 19:00
7通夜ぶるまい (1時間程度)

  • 3.葬儀・告別式

葬儀・告別式は、通夜式の翌日の午前中に行います。
仏式では僧侶による読経が行われた後、弔電の紹介があり、遺族・親族・参列者の順に焼香をします。
焼香が終わり僧侶が退席したら、最後に喪主(または遺族代表)が挨拶を行なうことが一般的です。
出棺準備は最後のお別れのため、遺族が供花で故人のまわりを華やかに飾ります。

葬儀・告別式から火葬後までの流れ:10:30開始の場合
1喪主・遺族で最終確認と準備 (1時間前から)
2受付開始 (30分前から)
3開式 10:30〜
4読経
5弔電奉読
6焼香
7喪主挨拶
8閉式 11:30
9別れの儀 11:35〜
10出棺 11:40
11火葬 12:00〜
12骨上げ 13:15〜
13還骨法要・初七日法要 14:00〜
14精進落し 14:30〜

  • 4.火葬

喪主が位牌、遺族が遺影をもち、霊柩車に従って火葬場へ向かいます。
火葬の間、1〜2時間ほど待ち、火葬が終わったら骨上げを行います。

火葬の流れ
1荼毘(だび)
2火葬 (1〜2時間ほど)
3骨上げ

*荼毘
焼香を行ない、棺を火葬炉に納めます。

*火葬
控室で1時間ほど待つ間、遺族は参列者を昼食などでふるまう場合があります。

*骨上げ
火葬が終わったら遺骨を骨壷に納めます。
箸でつまんだ遺骨を順番に渡していき、骨壷に収めます。地方によっては男女1組のペアになって2人同時に持ち上げるなど差があるようです。
また、宗派によっては火葬場の職員に骨上げをすべて任せることも。ご自分がどの宗派に属しているのか調べておきましょう。

  • 6.精進落し

僧侶や親族、お世話になった方々を招いて酒食をふるまい、1〜2時間程度の歓談をします。
会食を行うことで参列者へのお礼を伝え、故人の供養をする意味が込められています。

葬儀費用の構成

葬儀費用の構成
葬儀の費用と聞くと、高額なイメージを持たれる方も多いと思いますが、葬儀のスタイルによっては費用の負担を軽減できます。
葬儀の知識がないために、思わぬ高額な葬儀となってしまってトラブルになることも少なくないため、葬儀費用の適正価格を把握しておきましょう。

  • 葬儀費用の仕組み

葬儀費用は主に次の3つの項目で構成されています。

①葬儀基本費用+②飲食返礼品費用+③宗教者への謝礼
それぞれ、葬儀のプラン、参列者の人数、宗教施設などによって費用は異なっています。

  • 葬儀基本費用は10万円〜150万円超まで

葬儀にかかる基本費用は規模などによって異なります。
少額であれば10万円台から、高額な場合には150万円を超えるものまで、金額の幅が非常に大きくなります。
ご自身の希望と予算を照らし合わせ、どのような葬儀が適当であるかを検討しましょう。

*一般葬(40万円〜150万円超)
最も多い価格帯は50万円台のようです。
参列者の数や規模によって異なるため、かかる費用には大きな差があります。
平均は約90万円ですが、中間値ではないため、90万円の人が多いということではありません。

*家族葬(10万円〜120万)
家族葬における主な価格帯は40万円台となります。
参列者が少なく会場も小さくなると、一般葬よりも費用が低くなります。

*一日葬(10万円〜100万)
20万円台がメジャーな価格帯になります。
通夜を行わず1日だけの費用となるため、一般葬、家族葬よりも費用が低くなります。

*直葬(10万円〜50万円)
火葬のみの形式なので、最も費用がかからないと言えるでしょう。
おおよそ10万円台〜20万円台で執り行えます。

  • 飲食費は1人5,000程度、返礼品は1,000円程度から

飲食の料金は1人あたり5,000円からが一般的な金額です。
会葬返礼品は、1,000円〜3,000円の茶・菓子・カタログギフトなどを用意し、お好きなものを選んでもらう形式になっています。

  • 宗教者へのお礼は40万円台が多い

仏教であれば、僧侶を通してご本尊にお布施をします。
金額はいくらでもかまわないのですが、葬儀+戒名で、40万円台の場合が多いようです。

  • 香典による収入も考えておこう

葬儀では香典をいただきます。
支出だけを考えると少人数のほうが費用負担が少なくなりますが、香典による収入もあるため支出と収入のバランスを考慮しておくと良いでしょう。

計画した内容はエンディングノートに

葬儀の一連の流れを把握すると、希望の葬儀がイメージしやすくなりますよね。
計画した内容などは忘れないようエンディングノートに記入しておくと、後々ご家族がそれを参考にしてくれます。
必要だと思う過程は取り入れて、そこまで必要ではないと思うものは簡略化して、予算内で自分らしい葬儀を計画できるとよいですね。
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