お花代って何?
仏式のご葬儀に参列すると、祭壇に故人さまの写真が飾られ、周りに花をふんだんに飾ってあるのをよく目にするかと思います。
その両脇に、「○○一同」などと差出人名が書かれた札が掲げてある花を活けた台や、アレンジメントが置いてありますが、この供花に対して参列者が支払うのがお花代です。
かつては大きな円盤状に活ける花輪が、ご葬儀会場や不幸のあった家の外に置かれていましたが、サイズが大きく立てるスペースが必要なことと、価格も高いということであまり使われなくなっています。
花輪も供花と言えますが、故人さまと仕事上のおつきあいがあった相手や、町内会からなど団体から送られることが多いタイプ。
ただし昨今は会社や団体からも、花輪ではなく個人からの供花と同じようなものを送ることが、主流となりつつあります。
また、果物や缶詰などのお供物をかごなどに盛り、供花と共に並べるという祭壇もありますが、何をお供えするかは地方、地域によっても異なります。
どのようなものをお供えすればよいのかよく解らない場合は、葬儀社に相談するとよいでしょう。
供花は故人さまへのお悔やみとして供えるもので、花の色は白が主体、種類は昔と違って菊だけではなく、洋花をあしらう供花も増えています。
対になるよう2基設置する必要はなく、こじんまりとした祭壇ならば1基でも、そしてアレンジメントタイプでも構いません。
ただし、見た目のバランスがとれるように家族内で供花を分担し合って、偶数基送るという方法もあります。
香典と違うの?
お花代と香典は別々に渡すのがマナーであり、香典からお花代を取りおいてくれるようにはお願いできないものです。
というのは、もともと香典はご遺族さまにお渡しするものですが、お花代は装花を設置した葬儀社、またはその会場に出入りしている花屋に払うものだからです。
参列者が故人さまのごく近い身内の場合は、ご遺族さまがお花代をまとめて立て替えて、後でそれぞれの参列者がご遺族さまにお渡しするという方法をとることがあります。
その場合は、お花を送ろうと思うという意思を伝えて、葬儀社の連絡先を聞くとよいでしょう。
それをきっかけに、支払いはまとめてするなど、ご遺族さま側から意向を伝えてくれることもあります。
供花の依頼タイミングですが、ご葬儀の前日までに行いましょう。
また、お花代は香典袋のような不祝儀用の袋に入れる必要はありません。
業者に渡す場合でも、ご遺族さまに渡す場合でも、御花代、御花料と書いた白い封筒に入れてお渡しするとよいでしょう。
業者を介して送る場合は振込で済む場合もあるので、支払い方法についても葬儀社に尋ねておくとよいでしょう。
家族葬にお花代は送ってもよい?
そもそも家族葬のようなこじんまりとしたご葬儀でも、参列者による供花を供えることは必要なのでしょうか?
これについては特にきまりはなく、香典をお出しするだけでも失礼にはあたりません。
故人さまとの付き合いの深さから香典だけでは足りないと感じる場合やどうしても故人さまへのお悔やみを供花で表したいという気持ちがあれば、お供えすることは構いません。
ただし家族葬であるからと、香典、お供えをいっさい辞退するということが通知に書かれていたならば、ご遺族さまの気持ちを汲み取って遠慮したほうがよいでしょう。
気が済まないからと自分だけ香典やお供えを送り付けることは、ご遺族さまにとって対応する手間が増えてしまうので、避けるべきです。
供花を送るということになったら、早めに葬儀社に申込の連絡を入れるのはもちろんのことですが、どの花屋へ注文するか早めにチェックしましょう。
というのはご葬儀会場によっては特定の業者しか出入りできないようになっていることもあるので、どの花屋でもよいというわけにいかない場合もあるからです。
故人さまが親しくしていたフラワーコーディネイターがいるなど、特別な事情でどうしても懇意の花屋に依頼したい場合は、それが可能かどうか、まず葬儀社に相談を。
不可であれば、葬儀社を通して供花の依頼をするのがスムーズでしょう。
お花代の相場
お花代は、いったいいくら包めばよいのでしょうか?
一般的なご葬儀では、花輪1基が約15,000円程度なので、お花代もそのぐらいの金額が相場とされています。
しかし昨今の小規模なお葬式では10,000円位からの供花もあるので、葬儀社に種類を確認しておきましょう。
供花は、ご葬儀に参列できないので送るという場合にも使われます。その際は、故人さまとの関係によってお花代の金額も変わってきます。
おじ、おばならば1~3万円、祖父母なら1~5万円、兄弟姉妹なら3~5万円、両親なら3~10万円が相場と考えればよいでしょう。
また、お花代に対しては、香典返しのような返礼は不要とされています。
そのため香典返しが必要でご遺族さまの負担となる香典と違って、供花は送ってもよいという考え方もあります。
ただしご遺族さまがあくまでも辞退しているならば、送らずにお悔やみをお伝えするのみにとどめましょう。