ここからは、状況や必要に応じて行うべき葬儀後の手続きをご紹介いたします。
いずれも葬儀後すぐに取りかからなければならないものではありませんが、期限が設けられている手続きもいくつかあります。忘れないようリストアップしておきましょう。
故人が死亡保障付きの生命保険に加入していた場合、保険会社宛に生命保険金を請求する手続きを行います。
手続きに必要なものは保険会社によって異なりますが、一般的には死亡保険金請求書とともに、保険証券や直近の保険料領収書、故人と保険金受取人の戸籍謄本、死亡診断書、受取人の印鑑証明書などを準備します。
保険会社に問い合わせれば、くわしい手続きの流れや方法を教えてもらえるため、落ち着いたら担当者に連絡を取りましょう。
なお、生命保険金の請求手続きは死亡日から2年以内に行う必要があります。
故人が組合健保や協会けんぽに加入していた場合、健康保険から埋葬料として給付金が支払われます。
給付額は一律5万円ですが、組合によっては独自の付加給付を設けている場合もあります。
なお、埋葬料は葬儀の有無にかかわらず給付されますので、葬儀を行っていない場合や、葬儀を行う予定がない場合でも請求することが可能です。
埋葬料の請求手続きの期限は死亡日から2年です。生命保険同様、忘れずに手続きを済ませましょう。
手続きする際は、埋葬料請求書や死亡診断書の写し、健康保険証、印鑑、埋葬料の振込口座番号のメモなどを用意し、健康保険組合または社会保険事務所に提出します。
故人が国民健康保険の被保険者だった場合、葬祭費給付金制度を利用して葬祭費を請求することができます。
給付額は自治体によって異なりますが、国民健康保険加入の場合は5~7万円、後期高齢者医療制度加入の場合は3~7万円です。
いずれの場合も申請期間は死亡日から2年間で、市町村役場の保健年金課で手続きを行います。
なお、手続きには葬祭費請求の申請書のほか、故人の国民健康保険証、葬儀社の領収書、印鑑、葬祭費受取人の振込口座番号が必要です。
健康保険は業務外および通勤途中の事故以外に対して保険給付を行うものですので、業務上または通勤中の事故などによる死亡について、埋葬料を請求することはできません。
その場合、故人が勤務していた事業所を管轄する労働基準監督署に対し、葬祭料の請求を行います。
手続きには、葬祭料請求書と死亡診断書(死体検案書の写し)が必要です。
なお、請求期限は故人の死亡日ではなく、葬儀後から2年となります。
高額医療費の請求は被保険者が亡くなってからでも請求できるため、対象となる医療費の支払いから2年以内に手続きを済ませましょう。
手続きには高額医療費の申請書と、高額医療費払い戻しのお知らせ案内書、健康保険証、医療費等の領収書、印鑑、受取人の口座番号がわかるものを用意します。
なお、70歳以上の方は、医療機関窓口で高齢受給者証や後期高齢者医療費保険証を提示すれば、自動的に支払額が自己負担の上限額まで抑えられるため、別途申請手続きを行う必要はありません。
年金加入者が死亡した場合、遺族に対し、一時金や寡婦年金などが支給されます。
国民年金の場合、支給される給付金の種類は遺族の状況によって異なります。
*妻が老齢基礎年金の繰上支給を受けておらず、かつ再婚していない場合は国民年金寡婦年金
*子が18歳になった年度末日までなら国民年金遺族基礎年金
*それ以外の場合は国民年金死亡一時金
上記をそれぞれ請求できます。
一方、厚生年金の場合は社会保険事務所で手続きすることで、遺族厚生年金を受給できます。
それぞれ期限や必要書類が異なるため、くわしいことは市町村役場または社会保険事務所に問い合わせましょう。