家族葬に香典は送ってもよい?
家族葬とは、ごく近い身内だけで行うご葬儀のことです。
参列する人数が限られるため、費用もリーズナブルで、ご遺族さまの負担が少なく、昨今人気が高まりつつあるご葬儀の種類です。
家族葬に呼ばれた場合、ご遺族さまが辞退する通知を送ってこない限りは、香典を持参しても構わないのですが、参列しない場合は香典をお送りしても構わないのでしょうか?
これに関しては明確な決まりはないので、ご遺族さまが訃報を知らせてきた際に辞退する意思を表明しているかどうかチェックをしましょう。
辞退していなければ、香典を送ることは構いません。問題は訃報をご遺族さまから聞いたのではなく、第三者から聞いた場合です。
ご遺族さまはごく親しい人や親戚以外には、訃報は四十九日を過ぎてから、または年賀状の準備にとりかかる晩秋に伝えるつもりでいる場合が多いのです。
その通知をもらうまでは香典を辞退するべきかどうか、こちらから確認しない限りはあやふやなままとなります。
そこでこちらの都合だけで香典を送るのは、かえって迷惑になる場合もあるので気を付けましょう。
というのは、香典をいただくと香典返しを後日送らなければならず、ご遺族さまにとっては大きな負担となります。
それを避けるために、香典を送ってきそうな親戚や近しい関係の人には辞退をお知らせすることが多いのですが、自分がその通知をもらうリストから外れているのであれば、香典は基本的に送らない方がよいでしょう。
香典辞退が明示されていない場合
もし早い時期に訃報を聞き、香典を辞退することが明示されていない場合はどうでしょうか?
これも明確な決まりはありませんので、香典を送っても差支えありません。ただし、ご葬儀直後はなにかとバタバタしているものなので、香典を持参しての弔問は避けた方がよいでしょう。
ご葬儀後1週間ほど経過した頃に、伺っても良いかどうか確かめてから弔問に訪れましょう。
もちろん香典を辞退すると明示されている通知をもらった場合は、故人さまにお世話になったので送りたいと思っても、送らずにいることがご遺族さまの意思に沿った形となります。
家族葬に供花・供物は送ってもよい?
では、ご葬儀に際して供花や供物は送っても構わないのでしょうか?
家族葬を行う通知をもらっていて、自分はご葬儀に呼ばれていないのなら、通知に書いてあるご遺族さまの意向に従うべきです。辞退すると記載されていたら、送ることは遠慮しましょう。
家族葬を選択している場合、シンプルに行いたいと思っているご遺族さまは多いものです。
そこに事前の相談なく供花や供物を送っては、それを無視することになりかねません。
心配な場合はご遺族さまに送ってもよいか、再確認してもよいですが、ご葬儀前は何かと忙しいもの。時間を取るような問い合わせはなるべく遠慮しましょう。
供花・供物辞退が明記されていない場合
供花や供物を辞退すると通知に書かれていないのなら、送っても構いませんが、その場合気を付けたいポイントがあります。
それは家族葬の場合、参列する人数が少ないので会場が狭く、大きな供花や供物を並べられないかもしれないということです。
供花や供物が大きなスペースを占めてしまうことはご遺族さまや参列者の迷惑にもなりかねないので、不安な時はかならずスペースの確認をしましょう。
供花の場合、スタンドタイプだと大きいのですが、アレンジメントタイプなら小さめなので、祭壇に置いていただける可能性もあります。
この場合、ご遺族さまにあれこれ聞くと葬儀社に問い合わせる手間を増やしてしまいます。供花や供物を送りたい人は、自分で葬儀社にサイズなどを問い合わせましょう。
家族葬に弔電は送ってもよい?
一般的なご葬儀、特に故人さまがまだ仕事をしていた場合は、関係者から複数の弔電をいただくことがあります。
家族葬の場合、こうした弔電は送っても構わないのでしょうか?基本的には供花や供物と同じで、訃報や通知に辞退する旨が書かれていたら、送るのは差し控えましょう。
ただし辞退について何も書かれていなかったら、送ることは構いません。
しかし訃報や通知を受け取らずに人を介して家族葬が行われると知った場合は、香典同様、弔電も送るのは控えましょう。
家族葬にすることで香典返しなどの手間をなくし、シンプルにしたいと思っているご遺族さまに対して、余計な手間を増やすことになるからです。
ご遺族さま側の対応としては、通知をしたかどうか関わらず、弔電が送られてきたら、到着したものをお断りするのは失礼なので、送られてきた弔電は受け取りましょう。
弔電は告別式で読み上げられるものですから、少なくとも前日には届いている必要があります。
宛先はご遺族さまのお宅ではなく、ご葬儀が行われる葬祭場にするように気を付けましょう。
家族葬はシンプルに、コンパクトにしたくて選んでいるご遺族さまは多いもの。
参列者や訃報を知った側は、従来のご葬儀と同じように対応してご遺族さまの手間が増えないよう、ご遺族さまのことを思いやった行動を取りましょう。