かつては土地や家屋の名義変更を「生前整理」といっていましたが、現在では先に述べたように、身の回りの物の整理を指していうようになりました。この場合、特に不用品の処分をいいます。
誰しも年を重ねれば重ねるほど、物は増えていきます。旅行の思い出の品、人からのプレゼント、季節ごとの衣類や食器など、捨てられないまま場所を塞いでいる物がたくさんあるでしょう。
本当に必要な物、実用として使う物は、それらのごく一部に過ぎません。
また、自分にとって大事な物であっても、家族にとって大事な物とは限りません。最終的に手元に残しておきたい物を選別し、目録を作ることです。それらの資産価値を概算し記入しておけば、判断力のあるうちに形見分けや財産分与について考えることができます。
かつての生前整理であった名義変更を含む資産の整理です。亡くなった人名義の銀行口座は凍結されますから、残された家族は当面現金を引き出せなくなります。
そうした事態に備え、自分名義の預貯金について、あらかじめ家族に伝達しておくようにしましょう。株券や有価証券などについても同様です。
人生最期のセレモニーは葬儀です。自分の葬儀をどのようなかたちで行いたいか、終活でじっくり考えておきましょう。
葬儀の規模の大きさによって、かかる費用も違ってきます。
葬儀場はどこにするのか、遺影に使いたい写真はどれか、棺桶の種類はどうするかなど、より詳細にコンテンツを決めていくことで、自身の最期をセルフプロデュースすることができます。
家族間のトラブルを避けるためにも、生前に遺言書を作成しておきましょう。自筆証書遺書なら、証人の必要がなく取りかかりやすいです。